2008-11-24

バレエ=眠れる森の美女





昨晩久し振りにバレエを観にいってまいりました。

シュツットガルト・バレエ団による《眠れる森の美女》ですが、同バレエ団のプリンシパル数名のガラ公演や客演は観たことがありましたが、このバレエ団の全幕物を観るのは初めてで、それなりに期待して臨みました。



http://www.nbs.or.jp/stages/0811_stuttgart/sleeping.html

振付:マリシア・ハイデ(M.プティパの原典に基づく)
演出:マリシア・ハイデ
音楽:ピョートル・Iチャイコフスキー
装置:衣裳:ユルゲン・ローゼ
照明:ディーター・ビリーノ

オーロラ姫:アリシア・アマトリアン
デジレ王子:フィリップ・バランケヴィッチ
カラボス:ジェイソン・レイリー
リラの精:ミリアム・カセロヴァ 他.

舞台はシャルル・ペローのファンタジックな物語そのままに、砂糖菓子のように美しく楽しいもので、満足して帰ってまいりました。

このバレエはひと言で言うと演出の勝利=これまでに観たことのある《眠れる森の美女》のうちでも最も凝った演出で、例えば、オーロラ姫が妖精カラボスの薔薇の棘に刺された後、舞台の宮廷人たちが特殊な照明効果でグリザイユの絵(灰色のモノトーンで石像のように描く技法)のように見えたり、天井から床までゆらめく非常に長い黒の柔らかい布を用いてカラボスの悪魔性を表現したりオーロラ姫の成長の様子を覗かせる小道具にしたり、また、背景の基本装置は全く替わらないのに場面に合わせて舞台の印象をがらりと変化させたり、子どもの使い方が上手でセンスがあり(白雪姫の7人の小人とか)~~と、綺麗で楽しくて、演出の妙を味わうことができました。

それとこのバレエ団の衣裳がなかなかステキで、第一幕の典雅なパステル系の優しい色あい(ビビッドなのもありましたけど)から始まり、フィナーレは赤を基調とした濃厚・華麗な色の洪水で、こういう類のゴージャスな舞台を今までに観たことがありませんでした。

肝心のバレエですが、全体的にはかなりの高水準で、皆んな活き活きと楽しそうに踊っておりましたが、主役二人が残念ながら今ひとつ、姫のアマトリアンは脚はピューっときれいに上がるのですが情趣が?、それと支えなし一本脚立ちは不成功、王子のバランキエヴィッチはジャンプは高く回転スピートも十分であるものの上半身がちょっとで優雅さとか表現力の点で少し物足りなかったかな、、、なんて、バレエに関してはただ好きで観ているだけですので分かったようなことは言えませんが、こんな感想を持ちました。

でも、シュツットガルト・バレエ団の《眠れる森の美女》は素晴らしいです、公演4回はすべて主役が異なりますから、別の日に観られる方にはまた別の感想を持たれるかもしれません、そしてヤスミンの観た舞台では、カラボス役のジェイソン・レイリーがとても魅力的で、一生懸命拍手を送りました。



上の動画は王子(F.フォーゲル)以外はヤスミンの観た日のキャスティングで、J.レイリーのカラボスも観られますが、とてもこんなものではありません、舞台や衣裳の感じも実物やヤスミンの言うことと全然違うのがすごく残念です~これがライブと映像の違いなのかもしれません。

そしてガラ公演はショウケースのようで楽しいものですが、舞台芸術としてのバレエはやっぱり全幕物だな、なんて思いました。




さて、今日のインソン君は全幕物でなく<予告編>で魅せてくれました~《霜花店》が本当に楽しみです。


そして《霜花店》の<予告編>でも子どもが上手に使われておりました~冒頭に流れる印象的な高麗歌謡=《雙花店》の囃しのこどもの声、いいですね、こんな末尾に書くには勿体ないような素晴らしい歌謡でありIdeaであると思いました。






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