2011-04-16
徳江尚子さんのデビュー50周年ヴァイオリンリサイタル
昨日のことですが、徳江尚子さんの<デビュー50周年ヴァイオリンリサイタル>に行ってまいりました (於・紀尾井ホール)
これまで何回か聴かせていただいたことがありましたが、この度はデビュー50周年、二分の一世紀に亘るヴァイオリン人生の大きな節目ということで、会場は大勢の人で賑わっておりました。
演目はラヴェルのヴァイオリン・ソナタ(遺作)、ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタ、そしてフランクのヴァイオリン・ソナタ・イ短調、ときれいな曲が揃って、伴奏のピアノは東誠三氏。
はじめのご挨拶で、デビュー50周年として企画されたリサイタルを東日本大震災の支援として被災地と連帯したものとする、と話されて、被災地への曲として 『G線上のアリア』 が演奏された後、会場の全員で犠牲になられた方々に黙祷をお捧げしました。
徳江尚子さんの演奏はなにより上品で、年輪を重ねた大人の女性の強靱さや、安心して聴くことのできる落ち着きを備えており、難しそうな曲もなぜか優しく聞こえて、音楽というものの良さを感じさせてくれるひとときを過ごすことができました。
リサイタル後にはサイン会も行われ、CDの売り上げについては全て、毎日新聞社社会事業団を通して被災地に義援金として届けられる、というお話でした。
チケットを買っていただいた皆様
あの恐ろしい地震や津波、それに原発事故で、何か全て景色が変わってしまったような気がします。皆様はご無事だったでしょうか。多分、お知り合いの方などが、東北の沿岸地帯におられ、心配されておられるのではないでしょうか。
私も度重なる余震に身構えながら、大切なものを根こそぎ奪われた人々の苦難や心情に思いを馳せて涙しながら茫然としておりました。何かしなければと思いながらもただうろうろしていました。
しかしそれではいけないと募金に応じたり行動を起こしてみました。それでやっと前向きな気持が湧いてきました。
さて4月15日(金)午後7時開演の徳江尚子デビュー50年のヴァイオリンリサイタルですが、本人も迷った末 「是非、被災地への支援を兼ねて実行したい」 ということになりました。津波の犠牲者を思い、心をこめて演奏します。
コンサートに合わせてナミレコード社からリリースされるCDを無償で毎日新聞社会事業団にお渡しし、会場で売らせていただき、その売り上げを同事業団から義援金にしていただくことを考えています。
甚大な被害に苦しむ気仙沼市の「はしかみ中学校」で、やっと卒業式がありました。その時の答辞に以下のような1節があります。
「自然の猛威の前には人間の力はあまりにも無力でした。私達の大切なものを容赦なく奪ってゆきました。天が与えた試練と言うには、むご過ぎるものでした。辛くて、悔しくて、たまりません。しかし苦境にあっても天をうらまず、運命に耐え、助け合って生きてゆくことが、これからの私達の使命です」
音楽を通じて少しでも「運命に耐え、助け合って生きている」人々に連帯したいと願っています。またこういう時こそ人の心にしみる音楽の力を信じています。
どうか遠方の方もいらっしゃるでしょうが、可能な限りコンサートに聴きにきていただきたくお願いします。
2011年4月2日
徳江尚子デビュー50周年記念コンサート実行委員会代表:中島健一郎
→☆
リサイタル会場近くの黄昏どきの桜ですが、風に乗って結構な勢いで散り始めていて、私の洋服に花びらが何枚も貼り付いてきて、今年の桜の季節の名残を見せてくれました。
もうすぐ新緑の季節、これから良いこともたくさんあるでしょう。
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