2011-02-10
悪魔を見た=ジャパンプレミア
昨2月9日、《悪魔を見た》のジャパンプレミアに行ってまいりました(於・新宿ミラノ座)
イ・ビョンホンシとチェ・ミンシクシが主演ということしか知らず、タイトルから怖そうな映画だなと思いながら臨みましたが、こんなに怖い映画は間違いなく生まれて初めて見たと言ってしまって差し支えのない、そんな映画でした。R18指定。
公式サイト→☆
猟奇殺人魔チェ・ミンシクシにより、凄惨極まりない方法で婚約者を殺害された国家情報員=
イ・ビョンホンシの壮絶な復讐劇がテーマで、全編痛覚と聴覚に思い切り訴えてくるクライムサスペンスの極みの極み。
火のようなミンシクシと氷のようなビョンホンシの、お互い体は頑丈、不死身の如くで頭もしっかりしている怪物?同志による、途方もない対決が果てしなく繰り広げられた144分でした。
(映像↓は映画の完成を期待する方たち)
by ARBINTOKYO
チェ・ミンシクシの作品としてはやや偏り気味に、ハッピーエンド、親切なクムジャさん、ブラザーフッド、オールドボーイ、シュリ を見て、すごい俳優さんだとは思っておりましたが、《悪魔を見た》 のミンシクシの身震いしてしまうような姿と演技はちょっと筆舌に尽くし難く、これまで氏に感じていたすごさを軽く超えるものがありました。おそるべき存在。
イ・ビョンホンシについては 甘い人生、 JSA、グッド・バッド・ウィアード、それから IRIS(部分的)で知るだけですが、復讐に燃えるも一見冷徹に見えるポーカーフェイス&静かな低音、それから体型も含めて(この映画では視覚的に大事な要素)ミンシクシとの対照が鮮やかで、抑制された演技がよかったと思います。
目を背けたくなるような場面も少なからずで(いちおう見ましたけど)、韓国ならではの超リアリズムもあちこちに、、、そしてよくもここまで、と思いながらの120分経過前後(多分)くらいに、、、血まみれでトレンチコート(=このモチーフも凄い)を羽織ったチェ・ミンシクシが淡いブルーの TAXIから大路に降り立ち、両手を挙げて周辺を見渡すシーン、、、
流れる音楽も含めてこのシーンを白眉と思いましたが、此処に至って、この後30分ほど(多分)かけて終末に収斂していくクライマックスのために、それまでの執拗に残虐な場面が必要であったのだな、と思ったりしました。
他にこの映画では映像の美しさやカメラアングル、また音楽も素敵なのが特徴的でしたが、それとは別に残虐シーンの効果音のキレ味と音量がすごく(場違いにも夏休みの子ども向け映画館の音量のハイさを思い出しました)、ショッキングな音の効果には何度もびっくりしました。
ところでキム・ジウン監督は 《箪笥》 の監督さんでいらしたのですね、まだ子供の頃のムン・グニョンさんや美少女イム・スジョンさんが出演していた耽美的な韓国ホラー映画でしたが、《悪魔を見た》 の最初の雪の場面(=映像美)で女性を引き摺っていくシーンに、《箪笥》をちょっと思い出しました。
+《箪笥》 でお父さん役だったキム・ガブスシがカメオで 《悪魔を見た》 のワンシーンに出演、怖さの中にこういう楽しさもありました☆
by ARIBINTOKYO
by ARIBINTOKYO
<舞台挨拶>の様子は記事が出ておりましたのでそちらを参照させていただきますが、フォトセッションを入れて25分位、キム・ジウン監督と共に登壇したイ・ビョンホンシは流石に素敵で、特に上半身の姿勢がぴしっと決まって、堂々とした上等感~★遠目でも笑顔の白い歯が光り、アジアを代表する韓国トップスターの魅力を感じました。
珍しい光景としては、映画の内容を御存知なのか、映画が終了する頃の<舞台挨拶>近くになって入場される方がちらほらあったこと。
それからイ・ビョンホンシのファンの皆様には年配の方も少なくありませんでしたが、とにかく元気で積極的で反応が良く、今後に向けて大いに参考になりました+司会は田代親代さんでした。
舞台挨拶の動画が早くもUpされておりました♪
by moviecollectionjp
以下、《悪魔を見た》 舞台挨拶記事より~
◆ R18の衝撃作で復讐鬼と化したイ・ビョンホンに女性ファンが大興奮!◆
[ムビコレNEWS] 愛する人を殺された男の壮絶な復讐劇を描いた韓国映画『悪魔を見た』のジャパンプレミアが、2月9日に新宿ミラノ座で開催され、主演のイ・ビョンホンとキム・ジウン監督が舞台挨拶を行った。劇場には女性ファンが詰めかけ、ビョンホンが姿を現すと大きな拍手が沸き起こり場内は興奮に包まれていた。
あまりに残虐な描写のためR18指定となった本作。復讐の鬼と化したビョンホンにショックを受けたであろうファンを前に、ジウン監督は「このように激しくおぞましい映画をお見せすることになって申し訳ないです」と詫びてから、「この映画は復讐の“行為”ではなく“感情”を描いた作品。私はこの作品で、愛する人を失った男の凄惨で壮絶な復讐劇を撮りたかった」と映画に込めた思いを語った。
そんな問題作に出演した理由を聞かれたビョンホンは、「監督からシナリオを渡され一気に読んだのですが、そのときは非常に痛快で爽快な気持ちになる復讐劇だと感じました。でも、出来上がった映画を見ると全く違うものになっていて」と苦笑い。さらに司会が「初めて映画を見たときの感想」を聞くと、「極端なくらい過激な映画だなと思った」とビョンホン。
これについてジウン監督は、「映画で描いたようなことをそのままシナリオに書いたら、イ・ビョンホンさんはきっと出演してくれないと思ったので、シナリオは少し控えめにしておきました」と明かしてから、「でも、彼があれほど過激な演技を見せてくれるとは思っていませんでした」と感慨深げにコメント。そして「この映画を残虐だと感じたのなら、それはリアルに演じきったイ・ビョンホンさんとチェ・ミンシクさんの演技のたまものです」と、過激になったのはビョンホンのせいでもあると話し客席を笑わせると、ビョンホンは苦笑いしながら「すみません」と謝っていた。
またビョンホンは、「韓国では最初の編集バージョンは上映禁止と判断されてしまい、そんなことが2回あった。これは初めてのことでした」と、本作が過激すぎて上映禁止の危機にあったことを告白。そして「この映画は暴力的で残忍な映画ですが、それは今の危険な時代をありのままに映し出した映画だと思います。映画に描いたようなことは誰にでも起こり得ること。だからこそ、みなさんも恐怖を感じたのではないでしょうか」と、社会派な一面もある作品であることを示唆していた。
これまで『甘い人生』(05年)、『グッド・バッド・ウィアード』(08年)でタッグを組んできた2人。個人的にも仲がいいというビョンホンについてジウン監督が「彼のしっとりと潤んだ眼差しと、人々を魅了する甘い声は、俳優としての素晴らしい長所。これは努力して得られるものではなく、持って生まれたもの。彼は素晴らしい資質を備えていると思います」と天性の魅力を讃えると、劇場は大きな賛同の拍手に包まれた。
最後の挨拶では「この映画では、愛する人を失った男の心の傷、苦痛を描きました」と監督。ビョンホンは「主人公の行為は正しかったのか、いや、法の審判に任せるべきではなかったのかなど、色々なことを考えさせられる作品です」と、衝撃的なだけではなく奥深さのある作品だと強調していた。
『悪魔を見た』は2月26日より丸の内ルーブルほかにて全国公開される。
[MOVIE COLLECTION 2011年 2月 10日][写真出処 →☆]
http://www.moviecollection.jp/news/detail.html?p=2158
入場の際にいただいた御案内のフライヤーですが、きれいなお顔がこちらをのぞいていると思って見ると、《霜花店》 のインソン君でした♪
シネマート六本木の記念催事とはいえ、この館に限っての上映は勿体なくも残念、これからも上映の機会がどんどん広がることを願います。
<チョ・インソン ウィーク 3月12日(土)~3月18日(金) 於・シネマート六本木→☆>
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5 comments:
色々ご覧になってるjasmingさんでさえ、一番怖かった映画ですか~。やっぱり行かなくて良かったです。(@@;)
そのうちDVDででも見ようかなと思ってたんですが、レポ読んでそれも難しいかもと思いました。
チェ・ミンシクシも気になる俳優さんですが、怖い作品ばかり出られてるので未見です。
なんだか損してる気分。
↑すみません
名前入れ忘れました。
きぃくんへ♪
何を見たらよいやらで話題作ぽいのを見たりしておりますが、本作の怖さは別格、きぃくんには行かれなくて正解だったかもです・笑
でも韓国映画の徹底性にはすごいものがありますし、なにより映像やカメラが素晴らしいですので、勇気が出ましたらどうぞ御覧なさりませ。
チェ・ミンシクシはシュリ。
あ~!シュリの北の工作員リーダーの目の鋭い方でしたか!失念してました。ありがとうございます。
韓国映画はリアリティを追求するのですね。そう言えば、怖いシーン以外でもここまでしなくても~、と思った事が結構あったので合点がいきました。
私も韓国映画は内容より舞台挨拶付で選んでたりして・・・(^^;)インソン君以外で。
きぃくんへ♪
シュリでチェ・ミンシクシは何か受賞したようですね、出演場面がそれほど多くないのに印象的でした。
韓国のリアリズム、まだ慣れていない頃に「猟奇的な彼女」の車中の場面にぶっ魂消ました・笑
舞台挨拶付きでは「義兄弟」と「悪魔を見た」は超・お得感、でした☆
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