2009-01-28

インソン君のインタビューⅩⅩⅣ


<TOPclass>200902でのインソン君の素敵なインタビューです~

ご紹介いただいたChemisung様に篤く御礼申し上げます♪


◆【インタビュー】チョ・インソンが目指す俳優像とは(上)◆


 俳優チョ・インソン(27)の悩みはこれまで彼が見せてきた演技の幅より広く、そして深い。美しい顔をしているが、思慮深く、そして独特の語り口も魅力だ。華やかなスターとしてのオーラに包まれていたが、人間チョ・インソンの言葉は素朴で慎重だった。

 186センチという長身にもかかわらず、大きすぎない肩幅、長い手足、線の細い美しい目鼻立ちは、未成熟な肉体を持つ思春期の少年のような雰囲気を漂わせている。多少高いトーンの声と照れくさそうにほほ笑む表情、時に敏感に反応する目も少年のようだ。しかしチョ・インソンとの対話は、テレビや映画の中で見慣れたイメージに加え、第一印象さえ気持ちよく「裏切る」ものだった。

 期待していなかった単語が次々と彼の口から飛び出し、予想していなかった方向に会話が進んだ。ブランドやメディアは絶えず「チョ・インソン」の記号化を試みているが、チョ・インソンは自分のイメージの中にとどまろうとしなかった。昨年12月、デビュー7年目の俳優チョ・インソンにインタビューした。

 チョ・インソンは1度も「いい俳優になりたい」とは言わなかった。ただ誓うように「いい大人になりたい」と数十回繰り返した。「チョン・ウソンのようなかっこいい男になりたかったから俳優になった」チョ・インソン少年は、現在自分の完成を追求する思慮深い青年になっていた。華やかだが浮き沈みの激しい芸能界。チョ・インソンは人知れず自らを鍛えていた。それが俳優としての自分の過去より未来を信頼する理由だ。いい人間になりたいと願う熱望こそ、立派な俳優を目指す自分を前に進める最も大きな原動力になる。そしてユ・ハ監督の映画『霜花店』はチョ・インソンの20代最後の証しになるだろう。チョ・インソンは3月に軍隊への入隊が予定されている。

ドラマ『バリでの出来事』と『春の日』、映画『卑劣な通り』では泣く演技が印象的でした。少年のように傷つき、嗚咽する姿はチョ・インソンさんのファンに一番好まれるイメージではないですか?

 「可哀想に見えるから惹かれるってことなのでしょうか? でもその一方で、泣く姿が商品化するのではないかと心配にもなります。自分としてはドラマに最善を尽くした結果なので、むしろそのイメージだけが強調されることで作品に悪影響を与えていないか、観客や視聴者にとってドラマ全体に集中する上で妨げになっていないか、と考えることもあります。俳優の立場としては、泣きながら感情を爆発させることに快感を感じます。でも今回の『霜花店』ではそんな風に感情を爆発させたり、かっこいい姿を見せるというよりは、憂鬱な雰囲気が体に染み込んだ、暗く重い雰囲気の演技をしなければなりませんでした。実際、私が演じた「ホンリム」は、能動的にほかの人達をリードする役ではなかったからです。受け身で、引っ張られていくタイプの男なんです。リアクションだけのキャラクターといった感じです。白でも黒でもない灰色の地に立っている男です。演じる上では何かやり残した感じがありました。そんなシーンの集合でホンリムという人物を完成させなければなりませんでした」


チョ・インソンが目指す俳優像とは(中)



女性ファンが非常に多いですが、その理由は何だと思いますか?

 「善良そうに見えるからでしょう。でも本当はそうではありません。いい奴ではないです。他人の悪口もよく言いますし、不平や不満も多いです。怒りの感情をうまく抑えることもできないですしね。でも人気が不安になることもあります。ファンの方が実際の自分を知ったらがっかりするのではないかと。だから自分にもっと厳しく、他人に寛大になるように努力しています。人間は朝目覚める瞬間から偏見を持ち始めるっていうじゃないですか。私にも頑固で意地っ張りな部分があります。自分に厳しくならなければいい大人にはなれないと思う。何より私はいい大人になりたい。

チョ・インソンといえば浮かぶイメージのひとつは思春期の少年です。出演作品の中でも年上の女性とのロマンスを度々演じています。母性愛をくすぐるイメージがあるように思いますが、実際のところはどうですか? だからいい大人になりたいという願望があるのではないですか?

 「人は自分が見たいところだけを見るものです。他人の目に映る姿も自分の姿ということです。私を少年と見るならば、それも私の持つ一面ということでしょう。何かのフリや、そうでないフリをしてまで、生きて行きたくはありません。周りで悪い大人をたくさん見てきたので、いい大人になりたいという思いが強くなったようです。(東国大学の)アン・ミンス教授が自分がどんな脈絡で生きているのか、現在の自分を絶えず振り返らなければ大人にはなれないとおっしゃっていました。いい大人になる方法は教科書には出ていません。人生には突発的で瞬間的な状況が多く、その対処法は誰も教えてくれません。とにかく理解し、知り、学ぶよう努力しています。俳優は後天的に学ぶことが多いし、作品を通じて自身を映し出すことになります。私も軍隊に行ってきたら30歳になります。大人になる時期だと思います。若さを理由に大目に見てもらえることが少なくなる年齢、過ちや試行錯誤を減らさなければならない時です」

女性にかなりモテるのでは?

 「一度も女性から積極的なアプローチをされたことがありません。世間のイメージではなく、実際の自分が果たして魅力的な人物なのかと自問すれば自信がない。人気タレントやお笑い芸人はテレビで見せている姿と実際の姿は同じじゃないですか。俳優は全く違うんです。俳優ではなく人間チョ・インソンは愛される存在か。考えてみても懐疑的な思いを抱いてしまう。私は自分に自信があまりないんです。いい女性は男の知的水準や話し方、能力を先に見るでしょう。ルックスはその次です。魅力ある男になるためには一生懸命学ばなければなりません」

時々訪ねてアドバイスしてもらう人はいますか?

 「はい。その方に迷惑をかける恐れがあるので名前を一人一人挙げることはできませんが、ユ・ハ監督もその中の一人です(『卑劣な通り』『霜花店』とユ・ハ監督の作品に出演)。大部分はテレビを通じて知識や情報を得ますが、私は活字に慣れるよう努力中です。人は常に未完成なものなので、自らを完成させるためにはそれが重要だと思います。 卓越した言葉や知識を持つ方々は、私の頭の中に雲のように浮かんでくる考えを整理できるようにリードしてくれます。ユ・ハ監督をはじめとした私の先生たちは私にそんな快感を与えてくれるんです」


チョ・インソンが目指す俳優像とは(下)


今、チョ・インソンさんにとって最も重要なことは何ですか?

「いい大人になることです。阿羅漢(小乗仏教の最高の悟りに達した聖者)のような人間になりたい。空気の中に浮かぶように生きているけれど、この世からは外れており、この世の理知をすべて知っているけれど、知らないふりをしている人です。でも(私は)非常に目立つ存在になってしまったのではないかと思います。雨に打たれないためには家の中でじっとしているしかありませんよね。この世で生きていくためには雨に降られるのはやむを得ないものです」

今回の映画ではチュ・ジンモさんと濃密な同性愛シーン、ソン・ジヒョさんとの濡れ場もありましたね。準備はどんな風にしましたか?

「準備と言えるものはジムで体を鍛えたことくらいです。行為それ自体を見せるための濡れ場ではなく、感情を表現するための手段なので特別難しいということはありませんでした。ジヒョさんがとても大きな勇気を出して演じてくれたおかげで、私は楽に演じることができました。王との情事は王ではなく王妃だと思って臨みました。男であれ女であれ、人と人との関係ですから」

チョン・ウソンさんを見て俳優になりたいと思ったと聞いていますが。

「中学2年か3年のころでした。ドラマ『アスファルトの男』でチョン・ウソン先輩を見たのですが、とてもかっこよかった。それがきっかけで、高校2年のとき、MBCアカデミーのモデル1期生に入りました。運良く1~2カ月後にオーディションに合格し、CMに出演することになりました。その後、約2年間モデルの仕事をした後、現在の所属事務所に入り、俳優の道を歩み始めました。両親が積極的に応援してくれました。MBCアカデミーの生徒募集のビラも両親が持ってきて“ここに志願してみたら”と勧めてくれたんです。母が背が高く、全体的に母に似ています。小学生のころから背が高く、高校のときに今の身長になりました。そのときは今(72キロ)よりもっとやせていて65キロしかなかった」

最初から俳優として成功できるという確信がありましたか?

「いいえ。ずっと肩身の狭い思いをしてきました。モデル生活をしながらあちこちでオーディションを受けたのですが、ハンサムな人が本当にたくさんいました。オーディションには何度も落ちました。ドラマ『学校2』に落ちた後、『学校3』で合格し、俳優としての第一歩を踏み出しました。シチュエーションコメディ『ジャンプ』に出演したけれど、演技が下手で途中で降ろされました。最初はただ芸能人になりたいという思いだけだったのに、何度もそういうことがあったせいでむしろ演技に対する思い沸いてきました。今でも演技では完全な信頼を得ていませんが、演技に対する情熱はもっと強くなっています」

空軍の軍楽隊を志願したと聞いていますが、除隊後は30歳になりますね。どんな30代になると思いますか?

「20代が下絵を描く時期だとすれば、30代は色を塗る時期ではないでしょうか。素晴らしい監督に出会い、たくさん教わりたい。毎日を情熱的に生きてみたい。ぎとぎとしない、涼しい俳優になりたいです」

[topclass提供 朝鮮日報日本語版 2009/01/26 16:53]




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