《霜花店》レビューⅩⅠ

《霜花店》のネタバレのレビュー～ですので適当にお付き合いください。


◆[その映画のエロチシズム] <霜花店>の欲望と妬み◆

<マルチュク青春通り>(04)<卑劣な街>(06)などを通じて雄たちの非情な世界を見せてくれた柳河監督は<霜花店>(08)で急に高麗末にさかのぼって王と臣下の話をする.しかし<霜花店>は歴史的状況を背景にした史劇だと言うよりはその昔だけではなく現在にもあり得る欲望と妬みのドラマだ.

↑ <쌍화점>はチョ・インソンと宋至孝の破格的な情事シーンで話題を催した.

封切りの前にチョ・インソンとチュ・ジンモの同性愛場面とチョ・インソンと宋至孝の破格的セックスシーンなどに対するうわさで観客たちの関心を精一杯集めた<霜花店>はそういう期待を満たして一方では裏切る. 満たす部分は破格的な情事シーン.チョ・インソンと宋至孝の肉体関係はリ・アン監督の<ラスト,コーション>(07)を連想させる.彼らは関係を持てば持つほどお互いに落ちこんで彼らの関係には妙な権力関係が介入されて荒いながらも欲望そのものに充実な関係を結ぶ.

だが<霜花店>はおろそかに予想したように二'花美男'を立てた'ヤオイ' 映画(男性間の同性愛映画)ではないという点で観客の期待を裏切る.王(チュ・ジンモの方)と臣下ホングリム(チョ・インソンの方)の関係はエロティックであるより運命的だ.彼らは恋人と同時に友達で兄弟だ.キスシーンが登場したりするが柳河監督は仄かなムードやエロティックなトーンではないどんな'間一髪'でその場面を見せてくれる.そして彼らの関係は'愛憎'という二重的感情がいくら致命的ながらも魅惑的なことか見せてくれる.

高麗末期,煮こもうとする元国の属国だ.王后(宋至孝分)は元国の公主で元国は今の王を廃位させて新しい王を立てる計画さえ立てている.この時高麗の王を守る者等は乾竜衛の青年たち.幼い時代から宮グォルで生活した彼らは王のためにたまらなくて王のために暮す.特に乾竜衛の首長であるホングリムは王の寵愛を受ける人物.王は王后よりホングリムをもっと惜しんで信頼する.

後継問題を言葉尻で元国がけちをつけると王は隠密で危ない計画を立てる.ホングリムを王后と同寝させようとすること.王は女性と関係を結ぶことができない者だったし王の至厳な命令にホングリムは王の妻と関係を結ぶようになる.初めて女性を経験するホングリム.王に捨てられてから元気な男性の手助けに覚める王后. 彼らは'国家土台石'のために関係を始めたが眠った欲望が覚めながらたちところに愛する間になってホングリムを妻に奪われたという王の疑心と妬みはますます強烈になる.

'エロチシズム'の観点で見た時<霜花店>で一番おもしろい部分は'肉体的欲望'が覚めてそれが破滅を迎える過程だ.この部分で<霜花店>は古代ギリシア悲劇を連想させる破局と運命を見せてくれる.王の目を避けて密会を楽しんだ王后とホングリム.欲望は隠密でビミルスロウルスロックくらっとして魅惑的な法で三人の人の間ではお互いの欲望を守るための裏切りと偽りの話が行き交う.そして手順のように王后とホングリムの密会場面は王に見付かって王は権力を利用してホングリムに'致命的傷'をつけてしばらく宮を離れたホングリムはまた宮廷にしのび込む.

その結果は雄たちの対決だ.<マルチュク青春通り>の屋上でヒョンス(グァン・サンウの方)がヌンチャクを振り回してイソリョングになったら,また<卑劣な街>の通りでビョンドゥ(チョ・インソンの方)が部下たちによって処断されたら,<霜花店>の雄たちは宮廷でお互いに刀を狙う.この時王はホングリムに聞く."全く私を一回でも,情人と思ったことがあったか!"孤独な王は自分が唯一に心を与えた男ホングリムが本当に自分を愛するのか試すため 危ない賭博 をした.しかし新しい欲望に目覚めたホングリムには王よりもっと愛する人ができた.王はホングリムを自分のような境遇(女性と愛することができない状態)で作ってしまうことでホングリムを所有することができると思ったかも知れない.しかしホングリムの返事は断固たる不正だ.

熱くその頂点を向けて走り上げた欲望の結果は決して温い仲直りがなれない.王とホングリムはお互いに刀を狙うしかない運命になったしその誰も勝者になることができない.残ったことはさびしい王が描いた絵一枚. 王とホングリムが一緒に馬に乗って狩りをするその絵はそれさえもも刀に引き破かれてしまったから…これいかに悽絶な欲望の破局か.

［日曜新聞 キム・ヒョンソク月刊スクリーン記者 2009.01.16 16:26］
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